今年の夏はサマータイムで大混乱

原発事故の影響で今から心配されている、夏場の電力不足。
その対策の決め手としてサマータイム制の導入が検討されています。

本来は国が主導して、全国一律にサマータイムにすれば効果は抜群なのですが、諸般の事情から実現性は難しい。おそらく企業単位でばらばらに実行することになるでしょう。自動車業界等はサマータイムではなく、週休を増やすと言う形で節電に励むようですね。

サマータイムは実際に針を1時間前に進める事で早めに仕事を始めて、早めに終わらせるというものです。しかし、厳密には「7月1日午前1時ちょうどに、全国のすべての時計の針を1時間前に進める」というものなので、いきなり全国で実施するのはちょっと現実的では無いのが分かるでしょうか。

企業のコンピューターやパソコンの内部時計から、家庭では電子レンジや炊飯器のタイマー、ビデオの時計も設定し直さなければならない手間もあります。家庭レベルならまだ何とかなるでしょうが、すべてのICを設定しなおすのは不可能ですし、たとえ実行しても企業レベルの混乱はややこしい事になるかもしれないですね。

実は日本でも過去、サマータイム制を導入したことがあるのをご存知でしょうか。
1948年から、実際に針を1時間前に進めて、始業を午前8時、終業を午後4時にしたのです。

しかし、企業はこれ幸いと終業を「従来の午後5時のままにして超過労働」を従業員に言い渡しましたし、従業員もまだ日の高い午後4時に仕事が終わってもやることがないからお酒でも飲むしかなく、学校の生徒も夜更かししたり寝過ごしたりとペースを乱され、風紀も乱れるなど、大してメリットがないと判断され、わずか4年で廃止となりました。

バブル崩壊後の90年代始めの不況期にも「サマータイム制度を復活させよう」という動きが国会でありました。これは午後4時以降の余暇にせっせと消費をしてもらい「消費拡大で景気を高揚させよう」という狙いでしたが、諸々の折り合いがつかず、立ち消えになりました。

そもそもサマータイムというのは、緯度が高く日照時間が短い欧州で実行されたもので、日本の風土には地形的にもなじめない性質のものです。今年の夏は企業を中心に実施されると思いますが、「昼のコアタイムは社外との交渉などに充て、その前後の時間は社内的な業務に専念する」という形になるでしょう。

ピーク時間の分散化で電力需要もうまく分散できればいいですが、実施後は混乱が続きそうですね。
これが日本経済の回復の障害にならなければいいのですが…。