東日本大震災以降、永田町では菅降ろしの大合唱が続いていました。
「非常事態への対応が遅い」「被災地まで行って役に立たない」などなど、内閣不信任案まで出され、マスコミが主導する永田町世論もここぞとばかりに「菅首相を引きずり下ろそう」と躍起になりました。
実際の世間の世論は「それどころじゃない、復興が優先だろう」というのが圧倒的でしたが、たとえ震災が無くても、もはや日本では首相の「辞める」「辞めない」は定番のニュースとなっています。
こうした国民不在の政治の帰趨はどうでもいいのですが、気になるのは「首相が辞めると経済にどういう影響があるのか」ということですよね。
答えを先に言いましょう。実は経済への影響はそんなにありません。
もちろん短期的にはいろいろあります。これまでもそうでしたが、首相が替わると大体において短い間ですが消費がやや上向きになります。同じように株価も上がります。
次の首相に対する期待値が大きいのでしょうが、これもまた身に覚えがあると思いますが、一定期間が過ぎれば首相に失望して、消費が落ち込み、株価もすとんと下がります。株価というのは先行きを見て動くものですから、期待や失望といった雰囲気に大きく影響されるのです。
また、日本の政治行政組織は官僚がしっかりしているから、首相の一人や二人変わっても継続していく政策に変わりはないものです。大変だったのは09年に自民党政権から民主党政権に変わった時で、これは民主党が前政権からの変化をアピールするためにいろいろ過激な政策を打ち出してきたことから、経済も大きな影響を受けました。
「何をやってくるかわからない」という警戒感を経済界は強く受けたのです。しかも経団連など当時の経済界は自民党にべったりだったため、民主党との関係を持てなかったことから、企業いじめの政策を打ち出すのではないかと警戒していました。
しかし, それも結局2年経てば優秀な官僚によって「通常の」政策に戻ってきました。経済というのは「社会や政治の変化を求めない」性質があります。それは変化をリスクと捉えるからで、故に政治行政に対する暗黙の圧力がかかるのでしょう。経済界にとってみれば「首相は誰でもいい」と思っている事でしょうね。
あれやこれやとやっている間に首相は野田さんとなりましたが、経済界だけでなく国民も「首相は誰でもいい」と思っている方が多そうですね。国のトップが誰であれ、1日も早い復興へのリーダーシップが求められています。
