伝説の名車スカGを見た

唐突ですが私の家の近くの駐車場には、黒の日産スカイラインGTが停まっています。
いわゆる「スカG」と呼ばれる車で、1970代のクルマとは思えないくらい手入れが行き届いています。

さすがに塗装はくたびれていますが、傷もなく、丁寧に乗っているのがうかがえます。もはやクラシックカーの域ですが、直線的なフォルムが大変かっこいい車なのです。

エンジン部分の前面がアメ車のように分厚く長く、豪快なパワーを感じさせるだけでなく、とにかくすべてが直線です。フロントもリアもボディも切れ込んだような鋭角的なラインは、流線型の車が多い現代では大分目をひきます。走るためのクルマだというオーラを全身全霊で発している、丸いのはタイヤとテールランプだけというその徹底ぶりに、当時の若者は熱狂したものでした。

こういうカタチの自動車はいま、日本では製造していません。スカGを排出した日産でも作っていません。「四角い」を売りにしているワゴンでも、丸みを帯びていますし、今の子どもたちに車の絵を描かせたら、まるっこいかわいらしい車を描くのではないでしょうか。

現在はどのメーカーのどの自動車も、似たり寄ったりの形になってきています。高級車も量産車も軽自動車も同じに見えてしまいますね。もちろん微妙に違うのですが、どこにもクルマが発する主張というものがない。設計者が隣の芝生を見て安全策をとったようにしか見えません。こないだなどは、道でセルシオみたいなポンティアックを見てしまいました。日本車も外車もどんどん似てくるのでしょうか。

自動車メーカーは過去の不況時に、不況対策として「部品の共通化」を進めました。
こうすると同じシャーシや車台を使っても、別のボディを乗せてまったく別のクルマとして売り出したり、同じ部品を使って同じ内装にするなど、量産効果が狙えます。利益を出すために、部品共通化こそが生き残る道とばかりの車作りの方向に進んでいきました。

1つの部品を10ロット作るより、100ロット作る方がはるかにコストが安いので、メーカーにとってはいわば打ち出の小槌。その結果として、どのメーカーのどの車種も同じようになったわけで、おもしろみのないクルマが日本にあふれるのは当たり前ですね。