銀座松坂屋の灯が消える

銀座6丁目の目抜き通りにある「銀座松坂屋」の再開発が決まりました。
銀座松坂屋のビルを取り壊し、裏の区画と一体開発して2013年に工事スタート、2016年完成の予定で、地上12階、地下6階のオフィスや商業施設、多目的ホールなどを有する銀座地区最大の複合ビルになる予定です。

銀座松坂屋の周辺は日本最大のファッションの競合地区です。三越伊勢丹、松屋、プランタン、丸井、阪急百貨店など、そうそうたる百貨店がしのぎを削るだけでなく、ユニクロ、H&M、ZARA、アバクロ、GAP、21フォーエバーといったファストファッションも基幹店を出店させていて、銀座松坂屋もそうした競合店の中心地にありながら、旧態依然の百貨店方式で売上げを落としていました。

今回の再開発は乾坤一擲の勝負といえます。

H&Mが銀座に出店した時はものすごいフィーバーでした。入店まで3時間待ちとか、とてもファスト(早い)とはいえないような混雑ぶりで、はす向かいにあるユニクロとの競争がはやし立てられたものです。

いずれもファッション感度の高い衣料を低価格で販売することで人気を呼びました。百貨店で買えば5万円するくらいの最新ファッションの衣料を数千円程度で買えるのですから。

ただ、ある程度品質は低くなるのは仕方ないところで、H&Mなどは完全にワンシーズンだけの使い捨てと割り切っていました。それだけに、なかなか価格を引き下げられない百貨店はお客を食われてしまっていたのです。

特に松坂屋の本店は名古屋にありますが、銀座松坂屋は1924年開業という銀座地区最古の百貨店ですから、どうしても百貨店独自の取引、価格、サービスにこだわり、一言で言えば百貨店の「品格」に固執し続けたため、お客を取り逃がしていきました。

ここから勝負をかけた銀座松坂屋の再開発計画ですが、しかし銀座松坂屋が新しくリニューアルすると決まったわけではありません。ビルはできますが、その中に松坂屋が従来のまま入るとは限らないからです。

松坂屋が属するJフロントリテイリングというのは百貨店業界で改革派ともいえる過激な改革を進めているだけに、出店、退店、業態転換など、過去の実績やノスタルジーに引きずられない新しい百貨店になるのではないでしょうか。