百貨店が繁盛すると日本の景気は回復する

銀座松坂屋の再開発を始め、大阪の梅田地区の三越伊勢丹、大丸、阪急百貨店の大競争など、百貨店業界の競争は様々なメディアで流れます。経済評論家などもまず「百貨店の売り上げデータを元に景気の動向を占う」ことをします。なぜこのように百貨店の動向が注目されるのでしょうか?

全国百貨店の売り上げは、2010年度で6兆3000億円でした。
同じ時期のスーパーをはじめとするチェーンストアは12兆円の売上げで、百貨はほぼ半分。
かつては「消費の王様」といわれて小売りを支配していた百貨店は、歴史的に見ると高度成長期のスーパーの台頭、バブル後のユニクロなど専門店の台頭などに常に脅かされ、売上げを落としてきました。

にもかかわらず、百貨店の動向が常に注目されているのは、第一に「百貨店が扱う商品が高額商品」だからです。

衣料品においてもユニクロやH&Mなどのファストファッションである「安価なもの」ではなく、ヴィトンやプラダといった高級ブランドばかりです。そういった高額商品は、基本的にはいわゆるセレブが固定客なのですが、百貨店の収益構造的にはセレブの下にあたる一般客、つまり「浮遊客層」も取り込まなければ、利益になりません。

ご存知の通り、この一般消費者層は景気の動向に敏感です。景気がよければ購入量が増えるし、景気が悪化すれば売上げが落ちる、その景気とのリンク度が非常に高いため、百貨店の閉店や新規出店、リニューアルなどの百貨店の動向は、景気を予想する上で常にチェックされているのです。

もう一つの動向が注目される理由は、百貨店に「華がある」からです。百貨店の売り上げが増えたとなれば、ふだん百貨店に行かない人たちも、世の中はそんなに景気がいいのか、だったら自分たちも何か買ってみようか、となるわけです。景気刺激効果が非常に高いのも、百貨店の特徴です。

以前は百貨店は人海戦術で、大量の女性社員を採用していました。百貨店の売り上げが上がると、彼女たちの収入も上がります。女性はお買い物が好きですから、それが消費につながり景気が回るようになる、という理由もありました。

この理由はいまでは多少様相が変わってきましたが、先に挙げた2つの理由から「経済指標としての百貨店」のパワーは未だに健在です。百貨店業界はどうなるのか、以前注目度は高いままです。